─総説─
小児肺炎球菌感染症による疾病負担とワクチンの費用対効果
神谷 齊1), 岩田 敏2), 石和田 稔彦3), 山中 昇4)
1)独立行政法人国立病院機構三重病院
〔〒514-0125 津市大里窪田町357〕
2)独立行政法人国立病院機構東京医療センター
3)千葉大学医学部附属病院小児科
4)和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
肺炎球菌感染症は世界的にも重要であり,ワクチンによる予防が最適な手段である.日本においても肺炎球菌による髄膜炎や肺炎で不幸な転帰をとる症例が報告されていることや,耐性菌の急激な増加により治療に難渋するケースが増加している.これまでのように抗菌薬に依存する感染症治療は限界にきている.海外では約10年前から,小児科領域でも肺炎球菌による髄膜炎,菌血症,肺炎,急性中耳炎に対し,7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)が使用されその有効性や医療経済性が立証されている.PCV7は日本では現在承認審査中であり,早急な審査はもちろんのこと,採用後は定期接種のワクチンとすべきであると考える.
Key words | 肺炎球菌, 肺炎球菌ワクチン, 費用対効果, 医療経済, 細菌性髄膜炎 |
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小児感染免疫 21 (2):142─148,2009
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