機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第20巻第4号目次 > 抄録

─第40回日本小児感染症学会特別講演3─

麻疹ウイルス研究の最近の進歩

柳 雄介**, 竹田 誠**, 橋口 隆生**

**九州大学大学院医学研究院ウイルス学
〔〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1〕


麻疹ウイルスの主要な細胞受容体はSLAM(CD150)であり,麻疹ウイルスの免疫細胞へのトロピズムや免疫抑制を起こす性質はそれにより説明することができる.さらに,麻疹ウイルスは未知の受容体を介して極性上皮細胞にも感染でき,それが空気感染による強い伝播力の原因だと考えられる.また,麻疹ウイルスの受容体結合蛋白質の結晶構造解析から,なぜ麻疹ワクチンが有効に中和抗体を誘導できるかも明らかになってきた.

Key words 麻疹ウイルス, H 蛋白質, SLAM, 極性上皮細胞

小児感染免疫 20 (4):479─483,2008

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