機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第20巻第4号目次 > 抄録

─原著─

当医院における最近3シーズン(2005/06~2007/08)のインフルエンザ発生状況

正木 明夫1), 堀元 栄詞2), 松浦 久美子3), 滝澤 剛則2)

1)正木医院
〔〒939-1654 南砺市福光956-5〕
2)富山県衛生研究所
3)元 富山県衛生研究所


当医院におけるインフルエンザ患者について調査した結果,2005/06~2007/08年までの3シーズンとも3種類のウイルス(AH1型,AH3型,B型)による混合流行であった.2005/06年シーズンはAH3型が主流を占め,2006/07年シーズンはAH3型とB型の同時流行であり,2007/08年シーズンはAH1型が主流を占めた.AH1型分離株では2007/08年にワクチン株との抗原性のずれ(ホモHI価と8倍以上の差)が著明であった.AH3型分離株では2006/07年にワクチン株との抗原性のずれが目立った.B型では2005/06年,2007/08年にワクチン株とは系統の異なる株が分離された.また,3シーズン中のインフルエンザ罹患者におけるワクチン接種および非接種を調査したところ,ワクチン株と分離株の抗原性が類似したシーズンにおいてもウイルス分離者の24~50%にワクチン接種者が認められた.

Key words インフルエンザ, 患者発生状況, 分離株の抗原性, ワクチン接種歴
受付日 2008年9月4日
受理日 2008年11月27日

小児感染免疫 20 (4):451─463,2008

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