機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第20巻第3号目次 > 抄録

─原著─

アデノウイルス1型感染に関連して急性脳症を発症した9歳女児例

玉置 尚司1), 田村 英一郎1), 衛藤 義勝2)

1)東京慈恵会医科大学付属第三病院小児科
〔〒201-8601 狛江市和泉本町4-11-1〕
2)東京慈恵会医科大学付属病院小児科


 頸部リンパ節炎の急性期症状消失後にけいれん,意識障害を呈し,脳症と診断された9歳女児例を経験した.ウイルス分離はできなかったが,血清学的にアデノウイルス1型による感染を契機に中枢神経症状を呈したと考えられた.アデノウイルス感染症では1型の分離頻度は高いが,基礎疾患に免疫不全状態がない症例での脳炎・脳症の発症に関する最近の報告はみあたらず,非常にまれな症例であると考えられた.

Key words アデノウイルス1型, 脳症, 脳炎・脳症後のてんかん
受付日 2007年12月17日
受理日 2008年6月2日

小児感染免疫 20 (3):287─291,2008

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