─原著─
アデノウイルスとサイトメガロウイルスの感染が重複し肺炎の重症化をきたした一例
伊藤 雄介1), 大呂 陽一郎1), 松林 里絵1), 松林 正1)
1)聖隷浜松病院小児科
〔〒430-8558 浜松市住吉2-12-12〕
アデノウイルス3型(Adv3)感染とサイトメガロウイルス(CMV)感染が重複し重症肺炎をきたした1例を報告する.症状は重篤で機械的人工呼吸器による管理を必要としたが,ガンシクロビル(GCV)の投与により改善した.気管支肺胞洗浄液のDNA-PCRにてAdvとCMVが陽性であり,Adv3,CMVの血清抗体価の有意な上昇がみられたことから,Adv3とCMVによる肺炎と診断した.本症例ではAdv3感染時にCMVの再活性化が起こり,肺炎の重症化・遷延化につながったことが推測された.Adv肺炎の重症化にはCMVの再活性化が関与する可能性があり,CMV感染の合併にも留意する必要がある.
Key words | アデノウイルス, サイトメガロウイルス, 重症肺炎, 閉塞性細気管支炎 |
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受付日 | 2007年4月23日 |
受理日 | 2007年9月1日 |
小児感染免疫 19 (4):388─392,2007
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