─原著─
同一株のインフルエンザHAワクチンを2シーズン以上連続接種した乳幼児におけるHI抗体価の変動
大熊 和行1), 矢野 拓弥1), 中野 貴司2), 福田 美和1), 松村 義晴1), 荒井 祥二朗1), 神谷 齊2)
1)三重県科学技術振興センター保健環境研究部
〔〒512-1211 四日市市桜町3690-1〕
2)国立病院機構三重病院
2シーズン以上連続して同一株のインフルエンザHAワクチンの接種を受けた乳幼児におけるHI抗体価の変動について検討した.A/ニューカレドニア,A/パナマ,B/山東のいずれの株においても,産生したHI抗体は1年にわたって維持されることはなく,感染防御のためには毎シーズンワクチン接種を行う必要がある.単位抗原量当たりの免疫の初期化(priming)効果は3株とも十分とはいえず,特にA/パナマとB/山東は不十分と推察された.また,A/パナマのワクチン接種量(抗原量)を増やすとHI抗体価の上昇傾向はA/ニューカレドニアに近づくことが示唆されたが,B/山東についてはこのような検討はできなかった.
Key words | インフルエンザ, HAワクチン, 連続接種, HI抗体価 |
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受付日 | 2007年3月30日 |
受理日 | 2007年5月16日 |
小児感染免疫 19 (4):375─387,2007
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