─原著─
入院を要した乳幼児マイコプラズマIgM抗体陽性肺炎例におけるクリンダマイシンの有用性
成相 昭吉1)
1)横浜南共済病院小児科
〔〒236-0037 横浜市金沢区六浦東1-21-1〕
注射抗菌薬クリンダマイシン(CLDM)の,肺炎マイコプラズマ(Mp)の関与が想定された入院乳幼児市中肺炎例における有用性を検討した.
2005年1月~2006年12月に経験した,(1)38℃以上の発熱,(2)乾性咳,(3)血清Mp IgM抗体陽性,(4)末梢血白血球数10,000/μl未満,を認め,(5)3日間CLDM 25 mg/kg/dayを分3で各1時間点滴静注した,5歳以下の入院市中肺炎22例(平均年齢3.2歳)を対象に,発熱を指標として臨床効果を調べた.その結果,著効19例,有効3例で無効例はなく,平均入院期間は4.4日であった.
今回の検討では血清Mp IgM抗体陽性例を対象としたため,既往例を含んでいる可能性は否定できないが,経口摂取が困難なMpの関与が想定される入院乳幼児市中肺炎例に,CLDMは有用である可能性が示唆された.また,投与期間は3日間でよい可能性が示唆された.
Key words | 乳幼児市中肺炎, 肺炎マイコプラズマ, クリンダマイシン, 注射抗菌薬, 小児呼吸器感染症診療ガイドライン |
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受付日 | 2007年3月14日 |
受理日 | 2007年10月2日 |
小児感染免疫 19 (4):369─373,2007
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