機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第19巻第3号目次 > 抄録

─原著─

ロタウイルス血清抗原量と臨床症状との関連性解析

菅田 健1), 吉川 哲史1), 須賀 定雄1), 浅野 喜造1), 鈴木 恭子2), 大橋 正博3), 西村 直子4), 尾崎 隆男4)

1)藤田保健衛生大学医学部小児科
〔〒470-1192 豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98〕
2)豊川市民病院小児科
3)刈谷豊田総合病院小児科
4)愛知県厚生連昭和病院小児科


 ロタウイルス性胃腸炎の診断で入院した患児60名の血清中ウイルス抗原量を測定し,臨床症状との関連を調べた.ウイルス抗原検出は,VP-6に対するモノクローナル抗体を用いた酵素抗体法で行った.すべての患児急性期血清から,ロタウイルス抗原が検出された.急性期血清中ウイルス抗原量は,回復期血清に比して有意に高かった(p<0.0001).発症後のロタウイルス抗原量は第2病日でピークに達し,その後は徐々に減少し第6病日ではほとんど測定限界以下となった.発熱を認めた群の急性期血清中ウイルス抗原量は,発熱のなかった群に比して有意に高かった(p=0.0273).肝機能障害,けいれんの有無と血清中ウイルス抗原量との間に関連性はなかった.

Key words ロタウイルス, 抗原血症, VP-6, 発熱
受付日 2007年5月1日
受理日 2007年7月9日

小児感染免疫 19 (3):259─263,2007

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