機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

ESBL産生大腸菌による尿路感染症の乳児例

伊藤 尚志1), 野々山 勝人1), 渡邉 智子2), 佐伯 敏亮2), 砂川 慶介3), 石井 正浩1)

1)北里大学医学部小児科
〔〒228-8555 相模原市北里1-15-1〕
2)相模原協同病院小児科
3)北里大学医学部感染症学


 生後1カ月男児.発熱,哺乳低下を主訴に来院,身体所見,検査所見より敗血症,尿路感染症が疑われ入院.治療開始後,発熱,炎症反応の改善が認められず,入院時尿培養よりE. coliが107 cfu/ml検出され,感受性よりESBLを疑い,抗菌薬MEPMに変更.変更後症状および検査所見が改善し,入院16日目に退院.入院時尿検体より検出された菌株の感受性,遺伝子検査(PCR RFLP法)の結果,ESBL産生E. coli,CTX-M1グループであった.小児領域におけるESBL産生菌感染症の報告は少ないが,今後,分離増加が懸念されており,留意することが重要であると考えられた.

Key words ESBL産生大腸菌, CTX-M1グループ, 乳児尿路感染症
受付日 2007年3月30日
受理日 2007年6月18日

小児感染免疫 19 (3):235─238,2007

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