機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

0~5歳児におけるインフルエンザ菌b型に対する抗体保有状況

武内 一1,2)

1)耳原総合病院小児科
〔〒590-8505 堺市協和町4-465〕
2)小児外来診療における抗菌薬適正使用のためのワーキンググループ


 インフルエンザ菌b型(Hib)自然抗体の平均値(μg/ml)は,6~11カ月児0.52,1歳児0.90,2歳児1.09,3歳児0.90,4歳児1.95であった.在宅の児に比べ集団生活をおくる児はHib抗体が3倍高値で,早期から頻回にHibに曝露されている可能性がある.しかし,その抗体価は3歳児でも十分上昇しておらず,Hib髄膜炎の好発年齢で抗体価不十分な状況が明らかとなった.このことから,わが国でもHibワクチンの導入により,小児の重篤な感染症である細菌性髄膜炎をはじめとしたHib関連疾患の予防に努めることが重要であると考えられた.

Key words インフルエンザ菌b型, 自然獲得免疫, 細菌性髄膜炎, Hibワクチン, 莢膜多糖体
受付日 2006年2月7日
受理日 2006年12月5日

小児感染免疫 19 (1):36─40,2007

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