機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第18巻第4号目次 > 抄録

─原著─

2回のBCG接種歴がある結核性髄膜炎の15歳女児例

高杉 尚志1,2), 安藤 由香1,3), 島内 泰宏1), 脇口 宏2)

1)三豊総合病院小児科
2)高知大学医学部小児思春期医学教室
〔〒783-8505 南国市岡豊町小蓮185-1〕
3)岡山赤十字病院小児科


 乳児期と13歳時の2回のBCG接種歴があり,結核の家族歴がない生来健康な15歳女児の結核性髄膜炎を経験した.髄液検査で,単核球優位の細胞増多,蛋白上昇,糖低値を認めたが,髄液抗酸菌塗抹検査,結核菌PCRはいずれも陰性で,診断に苦慮した.結核性髄膜炎の発症はまれであるが,BCG未接種で家族歴のある乳幼児型とともに,10歳以上の年長児や若年成人例も念頭に置く必要がある.

Key words 結核性髄膜炎, 結核菌PCR, BCG
受付日 2006年4月4日
受理日 2006年8月23日

小児感染免疫 18 (4):393─398,2006

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