機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第18巻第4号目次 > 抄録

─原著─

2004/05冬期に経験した小児の急性胃腸炎の入院例について―ロタウイルス感染症とノロウイルス感染症の比較検討―

荻田 純子1,2), 黒崎 知道1), 久保田 博昭1), 石和田 稔彦2), 池上 宏3), 河野 陽一2)

1)千葉市立海浜病院小児科
〔〒261-0012 千葉市美浜区磯辺3-31-1〕
2)千葉大学大学院医学研究院小児病態学
3)千葉市環境保健研究所


 2004/05冬期に入院した小児急性胃腸炎118例の中でロタウイルス(RV)胃腸炎45例,ノロウイルス(NoV)胃腸炎21例を経験し,発症年齢,流行時期および臨床症状を比較検討した.NoVは12~1月に,RVは1~3月に多かった.嘔吐・下痢はともに高率に認めたが,第1病日はRVで下痢のみ,NoVで嘔吐のみの例が各33%あった.NoVは頻回の嘔吐を呈し,RVは下痢の持続日数が長かった.ウイルスの重複感染が5例,細菌とウイルスの重複感染が1例あり,全例でNoVが関与していた.

Key words ロタウイルス, ノロウイルス, 胃腸炎, 重複感染, 小児
受付日 2006年3月20日
受理日 2006年8月28日

小児感染免疫 18 (4):365─370,2006

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