機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

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─原著─

コクサッキーA群ウイルス感染症・エンテロウイルス71感染症(北九州市における)―第1部 疫学

佐久間 孝久1)

1)佐久間小児科医院
〔〒804-0092 北九州市戸畑区小芝1-1-40〕


 エンテロウイルス感染症は,外来小児科で夏期に最もよく観察される急性熱性疾患の一つである.1994~2004年の間に99例のコクサッキーA群ウイルスと,血清型を同じくする8例のエンテロウイルス71を北九州市環境科学研究所において分離同定し,疫学を検討した.
 コクサッキーA群ウイルスは3~4年の周期で増減を繰り返し,毎年流行株が異なり,おおよそ1つの株は1~2年の流行で終わり3~4年の間をおいてまた流行した.年齢では2歳以下の児が半数を占め,季節性では夏期に多くみられた.同一人罹患例3例,同胞罹患例4例を認めた.エンテロウイルス71例は5歳児が3例と多く,5月,6月に3例ずつみられた.

受付日 2005年11月14日
受理日 2006年2月22日

小児感染免疫 18 (2):123─129,2006

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