機関誌「小児感染免疫」 オンラインジャーナル

抄録

機関誌「小児感染免疫」オンラインジャーナル > 第18巻第2号目次 > 抄録

─原著─

初回検査で髄液細胞数が正常であったB群溶連菌による化膿性髄膜炎の2例―髄液中interleukin-8およびmatrix metalloproteinase-9の変化―

高崎 二郎1)2), 水田 桂子1), 鈴木 理永1), 田村 正徳1)

1)埼玉医大総合医療センター小児科
2)国際医療福祉大学附属熱海病院小児科
〔〒413-0012 熱海市東海岸町13-1〕国際医療福祉大学附属熱海病院小児科


 入院時の髄液細胞数は正常であったが髄液中に細菌が検出され,2回目の髄液検査で髄液細胞数増多がみられた細菌性髄膜炎の2例を報告した.2例とも検出された細菌はB群溶連菌で,入院後の治療経過は良好で後遺症を残すことなく退院した.これらの患児の治療経過中に髄液中のinterleukin-8およびmatrix metallopro-teinase-9 を測定し得た.これらの数値は入院時には正常ないし軽度の上昇であったが,治療開始後に急激に上昇した.化膿性髄膜炎の発症早期に初回の髄液検査が行われた貴重な症例と考えられた.

Key words 化膿性髄膜炎, 髄液, interleukin-8, interleukin-12, matrix metalloproteinase-9
受付日 2005年9月12日
受理日 2006年4月10日

小児感染免疫 18 (2):109─114,2006

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